この空の下
「大学病院へ紹介状を出すので、週明けに行ってください」

「はい」

と答えて、隆哉は黙り込んだ。


今日が金曜日だから、少なくとも月曜まで3日間は誰かがついてあげる必要があると思う。

1人にはできないだろうな。





「で、どうするの?」

多恵さんが彩葉さんの様子を見に行った隙に、きいてみた。


「1人では無理よ」

「うん、分かってる」


隆哉がこんな状態の彩葉さんを放り出せる人でないことも、

少なからず責任を感じていることも、

分かっている。


でもね・・・私も隆哉も言葉が出ない。
< 303 / 405 >

この作品をシェア

pagetop