この空の下
「先生、点滴終わります。抜針でいいですか?」

処置室からの声。


「はい。今行きます」

私はもう一度隆哉に視線を送ってから立ち上がった。



「今日は俺のところに連れて帰るよ」

「うん」

それしかないわね。


「仕事は大丈夫なの?」

「ああ」


私もバカ。

本当に言いたかったのはそんなことじゃないのに。
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