この空の下
「いいんですか?」

今度は多恵さんが心配そうに尋ねてきた。


「仕方ないですよ。他に選択肢がありませんから」

「でも・・・」

凄く不満そうな顔。


結局、多恵さんはお大事にの一言も言わなかった。


まあ、それも仕方ないでしょう。



「じゃあ、月曜日の9時に大学病院の予約をとってあるから。おそらく入院になるからそのつもりで」

「うん。ありがとう」

なぜ隆哉がお礼を言うのよと腹が立ったけれど、精一杯の笑顔で送り出した。
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