この空の下
「日向ちゃんごめんね。またお出かけしようって約束だったものね」


イスを降り、目線を合わせて話すとやっと笑顔が見えた。


「頑張ってお薬飲んだら、一緒にお出かけしてくれる?」

「うん。どこへ行きたいの?」

「レストランでお食事」

へー。


「妻が元気なころは誕生日にはレストランで食事だったんです」

なるほど。

「いいわ。行きましょう」


「本当?」

日向ちゃん嬉しそう。


「いいんですか?」

「ええ」


来週が日向ちゃんの誕生日と聞き、私は急いでプレゼントを注文した。

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