この空の下
それでも断れず、俺は羽蘭の元彼と喫茶店に入った。

喫茶店とは言っても、病院内のベーカリー奥にあるイートインコーナー。


お互いにコーヒーを注文して、窓際の席に着いた。


「元カノのお見舞い?」

「ええ」


隠したってしょうがない。

彩葉のことは知っているだろうから。


「羽蘭は大丈夫?」

は?

「どういう意味でしょう?」


「だって、ここは俺たちの母校だから。先輩も後輩も多いし、余計なことを耳に入れてくる奴もいるはずだから」

フーン。
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