この空の下
「君が送って行けば?」

はあ?

俺は空さんをマジマジと見てしまった。


「俺がいない間に羽蘭にちょっかいを出す気ですか?」


「バカ。そんなことしないよ」

「じゃあ、何で?」


「あくまでも医者として言っているんだ。彼女には向こうでの暮らしがいい気がするし、時間と距離は心を癒やしてくれるよ。それに、2人がけじめをつける意味でも君が送って行けばいいんじゃないかなあ」

「そんなこと・・・」


できるわけないじゃないですかと小馬鹿にしてみたけれど、悪くないかもしれない。


彩葉自身もフランスに帰る気はあるようだし、俺もけじめがつけられる。

お互いにとっていい方法かもしれない。

でもな、

羽蘭が納得するんだろうか?
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