この空の下
「羽蘭には俺が話そうか?医師としての意見を言ってやるよ」

「結構です」


これ以上羽蘭に関わって欲しくない。



「ねえ、携帯貸してよ。何かあったときに相談したいから、連絡先登録させて」

「いいですよ。必要ありません」


本当に軽薄な男だ。


「いいから貸せって。それともうちの病院との関係をこじらせたいの?」

「それとこれとは」


「いいから貸して」


押し切られるように携帯を奪われ、ピコピコと手際よく操作される。



「はいありがとう」

返された携帯には『永澤空』の名前が加わっていた。

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