この空の下
「ああ先生。グラス開いてますね」

吉川さんが次を勧めてくれる。


こんな風に男の人とお酒を飲むのはいつぶりだろう。


「同じ物でいいですか?」

「はい」


吉川さんが凄く気を遣ってくれているのも分かる。


フフフ。

ちょっと楽しいな。



「先生はどんな料理が好きなんですか?」

「え?」

唐突な話の流れに、キョトンとしてしまった。


「実は僕、料理が得意なんですよ」

「はぁ」



「あのー」

困ったなって顔の吉川さん。


「次は僕が手料理を振る舞います。つまり・・・また会ってくださいと、言いたいのですが・・・」

「はあ」

顔が赤くなってしまった。
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