この空の下
プププ。

携帯の着信。

見ると相手は空。


フン。

誰が出るものですか。


その後何度かかかる電話を無視し続けた。





「先生、永澤記念病院からお電話です」

ええ?


仕方なく受話器を取った。

「もしもし」

『羽蘭か?俺だよ』

「わかってるわよ。ずいぶん強引な手を使うのね」


『話があるんだ少し時間を作ってくれ』

「私にはないわ」


もう空に会う気はない。

隆哉と約束もしたし。


『用件はあいつのことだ』

あいつって、

「隆哉?」

『ああ、お前に謝らないといけないことがある』

謝るって、

「どういうことよ」

『いいから。今夜7時でいいな』


仕方なく私はOKした。

場所はいつものホテルのあの店。

とりあえず聞くだけ聞いてみましょう。
< 350 / 405 >

この作品をシェア

pagetop