この空の下
「あいつの携帯に細工をした」

はああ?


「なに?」

なんて言った?


「だから、あいつの携帯に細工をして羽蘭のデータを書き換えた」


今度は本当に驚いた。


でも、

「そんなこと、できるの?」

「蛇の道は蛇だ。金をかければ色んなことができるさ」


それはそうだろうけれど。


「でもな、俺が書き換えたのはあいつの携帯の中にある羽蘭の連絡先。羽蘭がメールを送れば届くんだよ」

はあ。

でも、隆哉が送っても私には届かない。

それって・・・


「すぐに分かることだろうし、黙っていようかとも思ったんだけどな」

水割りのおかわりを注文しながら、チラッと私を見た。



「お前、太った?」

「まあね。悪い?」

「嫌・・・」


「で、何で今話す気になったわけ?」
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