この空の下
翌日、日曜日。

午前中は掃除をして、午後から外出。


隆哉が向かった先は私の実家だった。


「ねえ、本当に行くの?」

「ああ、羽蘭を育ててくださった方だからね。ちゃんとご挨拶しないと」

まあそうなんだけど。



車で2時間以上かけて私の育った家へ。


小さな一軒家はいつ来ても変わらない。

「ただいま」

「こんにちは」


「いらっしゃい」

出てきたおじいちゃんとおばあちゃんに勧められ家に上がると、テーブルいっぱいのお菓子や煮物と共にお茶が出された。



「ほら、食べなさい」

おばあちゃんは言ってくれるけれど、そんなには食べられない。

「もー、おばあちゃん」

つい口を尖らせてしまった。
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