この空の下
「貸し切り?」

「うん。本当は夜しか営業してないんだけど、今日は特別」


「・・・ありがとう」


わざわざ準備をしてくれたことにお礼を言った。


そう言えば空も色々としてくれた。

高いお店にも連れて行ってもらったし、お店を貸し切って誕生祝いなんてこともあったな。

ダメダメ、空の話しをすると隆哉の機嫌が悪くなる。

フフフ。

ヤキモチ焼きなんだから。


「どうしたの?」

「何でもない」

「もしかして、また元彼を思い出していた?」

「そんなこと・・・」


ニヤリと隆哉が笑った。

「今夜はお仕置だな」


「えっ、違う。それに、私は妊婦なのよ」

「もう安定期に入っただろう」

「それは・・・」


顔が真っ赤になってしまった。
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