この空の下
中から出てきたのは、私の写真。


そこには、生まれたばかりの私やハイハイする私、七五三、それに父さんと母さんと一緒に写った写真まで。



「どうしたの?」

そう聞かずにはいられなかった。


「お父さんから預かった」

父さん?


「父に会ったの?」

「ああ、先週ご挨拶に行った」

「そんな、私に黙って」

「相談したら、一緒に行った?」


いいえ行かない。

父さんには三度目の奥さんとの間に子供もいて、もう私とは関係のない人だから。


「会う必要なんて無い」

無意識に口から出ていた。
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