この空の下
一旦姿を消したかと思うと、

大きな花束を抱えて戻ってきた。


「ちょっとベタで恥ずかしいけれど」

と照れくさそうに言い、


「林田羽蘭さん、結婚してください」


ちゃんと片膝をついてのプロポーズ。

こんなこと本当にする人がいるのね。



「幸せにしてやるなんて言うつもりはない。これから3人で幸せになろう」

飾りのない言葉にキュンとした。



「返事は?」

「・・・」

「ずっとこのままでいるつもり?」

「・・・」


膝をついたまま動かない隆哉。


「羽蘭」

優しく名前を呼ばれ、

「はい」

と答えてしまった。
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