この空の下
「こんにちは麗子さん。ご出産おめでとう」
「ありがとうございます」
嬉しそうに満面の笑顔を見せる。

あ、ああ。
麗子さんの傍らにはコットに入れられた赤ちゃん。

「ウワー、かわいい」

なにこのギュッと握りしめられた手。
小さな小さな指に爪までついている。
まあ当たり前なんだけど・・・すっごくかわいい。
目を閉じて眠りながら、時々口をすぼめたりゴモゴモと動かす姿もたまらない。

「かわいいだろう?うちの子が一番かわいい」
なんて馬鹿なことを言っている空。

「空さん恥ずかしいよ」
照れる麗子さん。


その時、
「いいじゃない。子供は一杯愛された方が幸せになるんだから。親ばか上等よ」
隣の部屋から入ってきた森先生の奥さん。

「もー、桜子先生」
麗子さんが頬を膨らませて見せた。
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