この空の下
薄暗い店の奥まったテーブル席。

隆哉さんのビールと、私のウーロン茶が並ぶ。


ウェッ。

もう一滴も喉を通りそうにないのに。



「ねえ、君は働きに来たの?それとも男を探しに来たの?」

「はあ?」

思わず大きな声を上げてしまった。

何を突然言い出すんだ。


「大体、休日に患者と出かけるって仕事じゃないよね?」

うーん。

それは、私も街を見て回りたいと思っていたときだったし。


「その上、患者の父親と2人で飲みに出るって。どういうつもり?」

「・・・」

どう言うって言われても、別に深い意味はない。
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