この空の下
「仕事にかこつけて、結婚相手でも探す気?」


はあああ?

つい睨んでしまった。


「自分の行動を振り返ってからそんな顔をしろよ」

強い口調。


悔しくて、唇を噛みしめた。


「小さな街なんだ。来たばかりの若い女医が男と飲みに出れば、すぐに人の口に登る。自覚しろ」

「・・・」

言い返す言葉がない。


「そんなに男に困っているんなら紹介しようか?裕司さんより若くて、独身の、子持ちじゃない相手を」

裕司さん?

ああ、吉川さんのこと。


「知り合いだったんですか?」

「小中高の先輩」

はあ。


「とにかく、男を捜すなら他でしてくれっ」

吐き捨てるように言われた。
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