この空の下
パッシッ。

隆哉さんの頭を軽くはたいて、

「うるさい。年下のくせに生意気なのよ。こっちの苦労も知らないで勝手なことばかり言うんじゃないッ」

完全に酔っ払った私は、怒鳴ってしまった。


「もー、帰る」

バックを抱え、ふらついた足で店を出る。




「待てよ」


追ってきた隆哉さんが腕をとろうとするけれど、

「私にかまわないで」

手で払った。


「放っておけるはずないだろう。道端でのたれ死にされたらたまらない」


うー。

本当にイヤな奴。


「あんたって、サイテーね」

暴言を吐きながら、バシバシとはたいた。


そのうち彼は何も言わなくなった。


我ながら醜態だと思う。


道路の真ん中を千鳥足で歩く女なんて、きっと見るにたえないだろう。


「ウワー」

私は絶叫した。


そして、その後の記憶がない。

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