この空の下
その時、


「戸締まりもせずに不用心だなあ」

隆哉さんの声。

「え、あの・・・」



『もしもし羽蘭?誰かいるのか?男の声がしたけれど』

「何でもないわよ。お願いだから、もう電話しないで。私のことはいいから、麗子さんを大事にしなさい。ね?」

『イヤだ。俺は羽蘭が好きなんだって』

もー、あんたは小学生か。

「来客だから、切るよ。ごめんね、空」

プチ。


ふー。

何とか切れた。



「何してるの?」

今度は後ろから、冷たい声。
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