この空の下
「でもね、それならお見合いなんてしなければいいじゃない」

そうすれば今も空と付き合っていたかもしれない。


「それができれば苦労しないさ」

分かったようなことを言う。


「どっちの味方?」

つい語気も強くなり、ビールもすすんでしまう。


「彼、跡取りなんだろう?それなりに苦労があるんだと思うよ」

そうか、隆哉さんも跡取りなんだよね。


「でも、許せない」

グビグビとビールをあける私。


「オイオイ、飲み過ぎるなよ」

さすがに止められた。


「大丈夫。酔いつぶれたりしないから」

「どうだか」


信じられるかって視線。


まあね、隆哉さんの前では随分醜態さらしてるから。
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