この空の下
「何年付き合ったの?」

テーブルの一角にビール缶の島ができた頃、思い切って聞いたみた。


「5年くらいかな」

「長いわね」

「まあな」


高校から大学時代の5年ってとても長いと思う。

子供の自分も、大人になろうとする自分もすべて知っているわけだから。

特別な存在なんだろう。

それは私も同じで、

「私は7年。大学時代からいいように利用されて、今になって捨てられた」

「彼、未練があるみたいじゃない」

まあね。

この期に及んで、「好きだ」何てほざいている。


「子供だった私には、人一倍優しい人に見えていたんだけどね」

「違ったの?」

「ええ」
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