オレンジ色のROMANCE



「おはよう。」
大吾は、普通に起きてきた。

今日は2人ともシフト休みだ。

「学校から帰ったら買い物行こう。
お砂糖とかお醤油とかきれてるし。」

「ふああぁ‼分かった。」

聞いてるのか聞いてないのか
大欠伸を繰り返して
トーストをパク付きながら気のない返事。

パンも舞香が捏ねて発酵させて
焼いたものだ。

サラダも菜園グッズを2人で買いに行き
育てた物なのに
なんの感動も、ナイ‼

ピコーんとなったラインに
ポチポチポチポチポチポチ
人差し指と両目は、シッカリと動いておるのに、口は、ゆっくりゆっく〜り
カミカ...ミ カミ カミ

食うか、ラインするかどっちかに
してほしい。

だら〜んとのびてる大吾に

「買い物前に映画行かない?」

「夏色のロマンス。凄ーく
見たいんだー。」

大吾は、フツーな顔して

「却下‼
女の見る映画なんかやだね笑‼
行きたきゃ友達誘いなよ。」
ポチポチ、ポチポチ

「俺、疲れてんだー
今日留守番してるから行っておいでー」


「え‼」
あの人達とは、ロマンス映画見て
たのに?

「もうちょっと寝かして‼
買い物は映画の帰り電話して
寝たい💤」

そう言うとソファーにゴロンとなって軽い寝息を立てて眠ってしまった。

サラダもパンも、かじりついた程度大吾の中で何かが変わってしまった。


「おーお‼
スゲー腕あげたな‼
これ焼きたてじゃん。
ウメー
まさかジャム手作り
舞香‼ありがとう。」

「だって大吾には、
手作り食べさせたくて
勉強し.た.の‼。」



「大吾ほんとにやるの?」

「うん。だから買いに
来たんだろ!」

「野菜なんてプロにまかせたが
良くない?」


「大丈夫‼ネットで調べて
夏野菜沢山作るぞー。」

あれから暫くベランダの野菜の
水やりを頑張ってたのに...
パッタリとやらなくなった。


暫く午前様が続くどんなに鈍い舞香でも浮気を疑ってしまう。

「おはよう。」

「おはよ。」
だけの会話

「今日バイト?」

「うん。」

「今日就活」

「うん。」

「美味しい?」

「うん。」
「先に出るね」

「うん。」
うん。しか言わなくなった大吾。

たまには一緒に帰り関係を修復
しょうと努力して見る。

高校の時から尽くしてくれた
大吾だもん。
きっと帰って来てくれる。



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