オレンジ色のROMANCE

1人で頑張る、

「五十嵐さんがツンツンツンツンを やめて欲しい願望があるように 私にも抑えきれない願望があるの‼
無理なの‼
我慢しろと言われても
無理なの‼

きっとバンパイアの子孫なんだわ。‼」


「バンパイア?
今どき?
中世のヨーロッパじゃねーよ。」

「帰ってください。
もう..こないで...
せっかく我慢しているのに..」

拓成はポケットに手を筒込み下を向いて何か考えているようだった。

細身でマッチョでカッコイイ!

そんな拓成を騙し部屋に引き込んで
ガブリとやりたい衝動をおさえる。

もう頭の中、理性30㌫欲望70㌫
抑えるのにもしんどくなってきた。

もはや赤ずきんちゃんを目の前にした

オオカミ。


「分かった。」
そう呟くと紙袋を手渡し離れていった。
拓成の後ろ姿にウズウズたまらず

舞香は、飛びついた。
我慢限界のメーターが振り切れた。
ブチッ

拓成も我慢出来ずに振り返る。

掴んだ指を1本1本外しながら、
「あいしてる。舞香、」
そう言うとそのまま出ていった。

舞香は、諦めながら大丈夫‼
大丈夫なんだから...そう言いながら
泣いた。

諦めるのには慣れっこだ。
こんなのいつもの事じゃないか!
生まれたこと事態間違いなのに
これくらいは当たり前‼

もう恋はしない。
愛情なんていっも瀬戸際で逃げていく。

幸せになんて選んだら駄目‼
父も母も私が居なかったらもっと
いい人生、祖父母も苦労しなかった。

私はそんな人生なんだから..

ふとあの日の彼を思い出す。
今何処で何をしてるのだろう。
「会いたいな。
会って又元気になるように
はげましてほしい。
あの小さな子供の時のように。」

「このハンカチは、あげるよ。
泣きたくなたら君が使えばいい。」

今ポーチに変身した、ハンカチは、いつも舞香の傍にあった。

まえを向かなきゃ。
ゴシゴシと顔を拭きパンバンと気合いをいれる。


キヤバクラは、辞めると言ったものの生活があるのでそのまま続行。

昼は就活に本腰をいれる。

そんな中ふと寄った本屋の入口に
経済誌があった。
見出しは、五十嵐財閥若き後継者に聞く‼

雑誌をめくると質問形式でかかれていた。
拓成らしい回答がならべられていた。

「ことし30歳を迎えられましたがご結の予 定はありますか? 」

「ん?分かりません。」

「気になる女性は、?」

「今はいません。
もし、好きな女性が出来たら
すぐ、結婚しますよ。ハハハ」

ちょっとガッカリしてしまったのは
自惚れていたからかもしれない。

拓成はとうに舞香を離れて歩き出していたのだ。

2回振られた気がした。









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