オレンジ色のROMANCE
朝から電話がなった。

相手は某大手化粧品会社の令嬢
美咲だった。

新郎新婦の知り合いで、式の前の日新婦から電話があった。

「噂の彼女が来るからよろしく‼
もう逃げられないわよっ‼」

あ、あ噂を流したのはあいつらか!
全く余計なおせわだ。


大学の同期で急な集まりがあり、
彼らの結婚の発表があった。
2人は同期で昔からの付き合いで
みんなやっと決まったかとホッとしたものだ。
途中俺の話になり、2人がいい人がいるからと合わされた。

確かに美人でいい女だ。

美咲には、結婚式場でベタベタされめんどくさいからそのままにした。

ふと男達の視線が向く方へと顔をむける。そこには舞香の姿があった。

キャバクラで名を上げ稼ぎまくっていると思っていたが、まさか
結婚式場に勤めているとは。

男達は、舞香に見せられたように彼女を見ていた。
ニッコリ微笑む顔は愛らしく可愛らしく。
連絡先を聞いたが上手くかわされたと項垂れる者もいた。

その時この式場を傘下に収めようと考えた。舞香丸ごと納めれば後はジワジワ攻めればいい。
舞香のゴメンなさいを聞くために
何と遠回りな事か。

まずは、ガン無視作戦。
だいぶ、効いてきている。

舞香の顔が蒼白になる。
あいつのゴメンなさい。は、
ホントに高くついた。

朝からの美咲からの電話は、
デートの誘いだった。
親父の所まで話が飛んで誤解を解くのに大変だった。

デートを、仕事を理由に断るとマンション前まで押し掛けてきた。
仕方なくホテルまで送って貰う羽目になり礼を言って出た時、急にネクタイを引かれキスをされた。
俺はすぐ離れ睨みを聞かせ

««««もう‼来るな‼»»»»
しっこいぞ‼➤

ビビる女をもうひと睨み。
彼女は、舌を巻いて逃げていった。

パタパタと音がしてそっちを向くと舞香の後ろ姿があった。

「.....」

追いかけて、どうする。
益々、頭に乗るだけじゃないか!
このまま誤解させて少し思い知れ..そう思った。

2日経ち3日経ち..一週間舞香を見ることなく過ごした。

主任に確認すると辞めたと言われ..それも1週間前に..。


青く蒼白になったのは俺だった。
こっちから出向きたく無かったが
仕方なく舞香のマンションへと向かう。

カーブを大きく回り坂道を登ると
築40年のマンションが顔をだす。


あの日ぶりのマンション。
エレベーターも狭く1人がやっと。

三階の舞香の部屋をめざす。


しばらく待っているとコンビニ弁当らしき袋を下げ舞香が帰ってきた。



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