オレンジ色のROMANCE

元サヤ

舞香は、軽く頭を下げると目の前を通過した。

「おい‼」
声を掛け腕をひっぱる。
舞香は、黙ったままで俺をじーっと見た。


そして
「彼女いるくせになんで?」

「待て待て‼ヤキモチか?」

「は?ヤキモチ?
誰が?誰に?」

メガネの奥の切れ長の目が
カッコイイなんて
こんな状況なのに思ってしまう。


「舞香、落ち着いて話そう。」

「お言葉ですがこれ以上落ちっけ
・・・と?」

鍵を開けて中に入ろうとする舞香に言った。

「俺があの女と結婚してもいいん
だな‼」

まいかは振り返り


「そんな仲なんでしょ。」
私を無視し続けるぐらい。
なんだから。
今更、なに?」

拓成は、バッが悪そうな顔を見せドアを握り上から舞香を見下ろしな がら言った。

「彼女は、友人がお前に振られたのを
心配して紹介してくれたんだ 。
俺は、彼女に気持ちは無い。」


「へぇ〜
出勤まで離れたく無いんでしょ。
何をいってんだか。


それにオーナー様が従業員の前で あんな事したら
示しが着きませんことよ。プイッ」

言い返せない拓成を見て、してやったりと思う反面、ヤッパリやってたんだとか、思ってしまう。

「ち、違う‼あれは..」

「あれは..」

舞香も拓成の顔に顔を近ずけ
舐めみるような怪しい顔をして見た。

何も言えない拓成に向けて..

「据え膳食わぬは男の恥‼」ってか?」
と一言。

「違う、違う‼据え膳食いたく無いから食 ってねーよ‼誓う。」

「もう、どーでもいいんです
けどっ‼。」

舞香は鍵を開けて部屋に入ろうと
するがドアが閉まらない。
拓成の手がドアをプルプルと掴み
引っ張っている。

「後10分話そう。10分でいい。」

「お腹空いてんだってばっ‼」
ガツンと引き寄せると拓成の顎が
ドアにあたった。ガツン
イテ、イテ、イテッ‼

かがみ込む拓成を心配して

「だ、大丈夫?ごめん‼大丈夫?」

舞香の可愛らしい顔が寄ってくる。拓成は、舞香の手をギュッと握ると

「がまんするよ。
あの、ツンツンツンツン
だから帰って来てくれる?
お前が居ないのに比べれば
ツンツンツンツンぐらい
我慢する。」


「ん?あ...え‼
あれ...わぁ、我慢できるよ。」

舞香は少しキョドリながら拓成を見た。

「な、なんだ‼
ホント?
じやぁいいんだな‼、
俺の所に帰るんだな‼」

安心したように拓成は舞香の顔を
見ながら確認した。








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