オレンジ色のROMANCE
「ねえ、拓成さんはまだなの!
何時頃くるの!
ねえ、電話してよ。
秘書だったら働きなさいよ‼」

「お電話しました。
もう直ぐお着きです。」

するとエレベーターが止まり拓成がおりてきた。

エレベーターの前の自販機前で杏が見たものは背が高くて理知的で
スッスと杏の元へと歩み寄る今までに会った事の無いタイプ

冷たそうに見えて近寄りがたく
それでいてそそられる。いい男‼

20歳の杏は、直ぐに飛びついた。


「ええ、誰、?誰?村田この子誰?」

急に馴れ馴れしく飛びついた杏を見て
拓成は、ぎょっとした。

「会長のご友人の山本様の
お嬢様です。
お名前は..えっと」

「杏です。」

「ああ、ジーちゃんの友達の..」

「杏って呼んでください。」


「君、山本さんの孫?」

「いえ‼娘です。歳いってからの
結婚なんで。」

「そうなんだね。へー」
村田は呆れながら業務に戻りますと
言って去っていった。

♪♬♩♬(♩♪♬♩♪♪♪
携帯がなると
「はい、はい、今一緒ですよ。
わかりました。
いきます。
大丈夫ですよ。」

電話を切ると


「ジーちゃんが君と来いって
なんだろうな。
君は大丈夫?
時間ある?」


そう杏に尋ねるとあんはにっこり笑い
腕を組んできた。
下から見上げてくる目が舞香を
思いださせ、上手くひっぺがせない。
まあいいかぁと思い社内を歩く。
社員が目を丸くして驚いている。

会長室の前に行くと、杏は自分から
ドアをあけ、

「お父様。彼氏ゲットしましたー。」

と、あからさまに叫んだ。


「おい、おい、拓成。
結婚の話なんだが。」

「あー、もう耳に入りましたか?
噂ってはやいな〜。」

「ほら見ろ!康成
心配要らんと言ったろうが。」

杏と拓成は、見つめ合いながら頭を掻く拓成を見て康成は不審な気持ちになり

「いいのか‼」
と念を押した。

「その話ならまた後でゆっくり
人を待たせてるので会議に行きます。
時間なんで。」

拓成は、腕に填めたロレッ〇〇の
時計を見ながら出ていった。

「拓成さん、またね。」

「ああ、またな‼」

そんなふたりのやり取りを山本は、嬉しく聞いていた。

「改めて家族で会おう。
こちらから連絡するから笑、」
山本と杏は、機嫌よく帰っていった。







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