もしもこの世界に私がいなかったら
ピーポーピーポー

救急車の中で瑠衣が必死に私に喋りかけている

「未夜、未夜……」

瑠衣の消え入りそうな声が聞こえる

⁄病院⁄

「先生!高校3年生の女の子が意識不明です!」

「今すぐ手術する!準備を!」

「はい!」

⁄手術終了後/

コツコツ

「先生!私の娘は助かったんですよね……?」

「はい。一命は取り留めましたが…この先どうなるかは…」

「っ!!そんな…また余命が短くなるんですか?」

「……あと少し…持つかどうか…」

(っ!!未夜があと少ししか生きられないなんて…)

影で聞いていた瑠衣はその言葉に絶望感にみまわれた

(あと少しの間で俺は未夜に何かしてやれるのか?)

瑠衣はその場で呆然と立ち尽くしていた
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