【極上旦那様シリーズ】俺のそばにいろよ~御曹司と溺甘な政略結婚~
「ジュリアン」
彼は鼻の穴を膨らませ、口をギュッと結んでこらえているように見える。結婚したことに腹を立てているのだろう。
だけど私は最初からジュリアンを弟のようにしか思えなかったし、ホームステイ中の態度もきっぱり線引きしていたつもりだ。
私は柊吾さんの腕に手を置き、ジュリアンににっこり笑った。
柊吾さんを紹介しようと口を開きかけたとき――。
「夫の八神です。心春からここでの生活を助けてくれたと聞いています」
柊吾さんはジュリアンに手を差し出した。
両親の見ている前で握手を求められたら応じないわけにはいかない。ジュリアンは黙ったまま柊吾さんの手を握った。
なにも言わずに握手するところはやはりまだ高校生の子供で、余裕の表情の大人の柊吾さんには太刀打ちできない。
場の雰囲気が悪いように見えたのかポーリンがふたりのもとへ近寄り、柊吾さんににっこり笑う。
「妹のポーリン・七美です。ご結婚おめでとうございます。ハルとは本当の姉妹みたいに仲がいいんです。大事にしてくださいね。あ、私のことはポーリンって呼んでください」
「八神です。ありがとう。ポーリン、よろしく」
普段は引っ込み思案で奥手のポーリンなのに、柊吾さんに自分から頬を近づける。それには私のほうがびっくりした。ポーリンは柊吾さんのことを気に入ったようだった。
彼は鼻の穴を膨らませ、口をギュッと結んでこらえているように見える。結婚したことに腹を立てているのだろう。
だけど私は最初からジュリアンを弟のようにしか思えなかったし、ホームステイ中の態度もきっぱり線引きしていたつもりだ。
私は柊吾さんの腕に手を置き、ジュリアンににっこり笑った。
柊吾さんを紹介しようと口を開きかけたとき――。
「夫の八神です。心春からここでの生活を助けてくれたと聞いています」
柊吾さんはジュリアンに手を差し出した。
両親の見ている前で握手を求められたら応じないわけにはいかない。ジュリアンは黙ったまま柊吾さんの手を握った。
なにも言わずに握手するところはやはりまだ高校生の子供で、余裕の表情の大人の柊吾さんには太刀打ちできない。
場の雰囲気が悪いように見えたのかポーリンがふたりのもとへ近寄り、柊吾さんににっこり笑う。
「妹のポーリン・七美です。ご結婚おめでとうございます。ハルとは本当の姉妹みたいに仲がいいんです。大事にしてくださいね。あ、私のことはポーリンって呼んでください」
「八神です。ありがとう。ポーリン、よろしく」
普段は引っ込み思案で奥手のポーリンなのに、柊吾さんに自分から頬を近づける。それには私のほうがびっくりした。ポーリンは柊吾さんのことを気に入ったようだった。