【極上旦那様シリーズ】俺のそばにいろよ~御曹司と溺甘な政略結婚~
「シュウゴ、席について話そう。酒はいける口に見えるが?」

 オーリィ氏は六人掛けのテーブルに私たちを並んで座らせ、自分は柊吾さんの斜め向かいに腰を下ろす。

「まあまあといったところです」
「とっておきのシャンパンがある。お祝いに開けよう」

 ワインクーラーに冷やされているシャンパンを、オーリィ氏は柊吾さんと梨沙のグラスに注いでいく。

 今回も私のグラスにはオレンジジュースが用意された。やはりフランスの法律では飲酒できても、日本ではダメだからだ。

 逆に、フランス人のジュリアンの飲酒は認めている。でも、今日は彼の前にもオレンジジュースのグラスが置かれている。

「結婚おめでとう。私たちのように仲良く幸せに」

 オーリィ氏がシャンパングラスを掲げて乾杯し、美味しそうに飲む。

「ハルも早くシュウゴさんとシャンパンが飲める年になるといいわね」

 柊吾さんを紹介する緊張感からか今日は喉が渇いて、オレンジジュースをゴクゴク喉に流し込んだ。

 半分ほどになったグラスに、梨沙はたっぷり入ったピッチャーからオレンジジュースを注ぐと、ポーリンを伴って席を外した。

 鶏レバーのパテと薄くスライスしたバゲットを食べながら、オーリィ氏と柊吾さんは政治の話をしている。専門用語が出てきて、私にはついていけない。

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