【極上旦那様シリーズ】俺のそばにいろよ～御曹司と溺甘な政略結婚～
「ど、どうしたんですか？」
「俺がどれだけジュリアンに嫉妬したかわかるか？」

　柊吾さんの声が耳元で響き、腰のあたりに今まで経験したことのない疼(うず)きを覚える。

　でも、その疼きがなんなのかを考えるよりも、彼の言葉に驚いた。

「ええっ!?　し、嫉妬？」
「ああ。嫉妬だ。俺が高校生に嫉妬するとはな」

　柊吾さんはキュッと口元を歪める。

「意味がわかりません」

　そう言うと、柊吾さんはフッと息をつき苦笑いを浮かべる。

「今、ジュリアンに同情を覚えた。君は初心すぎるな。どうやら俺は心春が好きらしい。どうしようもなく惹かれているんだ。心春が欲しくてたまらない」

　驚きすぎてポカンとする私に柊吾さんは唇を重ねてきた。

　これまでずっと私と一線を引くように接してきた彼の突然の行動に驚いた。

　だけど唇を啄むようにキスをされても嫌じゃない。

　最近の胸のモヤモヤがなんだったのか、わかりかけてきた気がする。

　私の心は浮き立つような感覚に襲われた。柊吾さんのキスに鼓動がドクドク痛いくらい暴れて、足に力が入らなくなりそうだった。

　啄むようなキスはしだいに強引さを見せ始め、温かい舌が私の舌を吸い始める。

　唇同士が触れ合うキスも今までしたことがないのに、こんなに濃厚なキスをするのは初めてで、頭の中に靄がかかったみたいにぼうっとしてくる。
　
　私もおずおずと柊吾さんのキスに応えていた。

　
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