【極上旦那様シリーズ】俺のそばにいろよ~御曹司と溺甘な政略結婚~
 襲うじゃなくて、自由にさせてもらうと言ったんだが。心春は襲ってほしかったんだ?」

 ステアリングを握りながら、柊吾さんは私をからかう。

「そ、そうじゃなくて……」

 否定したものの、図星だったりするから口ごもる。

 そんな私に楽しそうに笑う柊吾さんだ。

 やっぱり手のひらでコロコロ転がされているみたい。

「シートを倒して寝るといい」
「大丈夫。こんな時間は久しぶりだから、ずっと起きて話をしていたいな」
「俺もだ」

 柊吾さんの言葉に頬が一気に熱くなった。

 私、すごく幸せ。


 夕食はホテルのフレンチを堪能して帰宅した。

 まだ冷蔵庫にホールケーキがあるというのに、お腹がいっぱいで食べられないな。

 クリスマスプレゼントいつ渡そう……。

 渡すタイミングがなくてまだあげられていない。

 柊吾さんは書斎へ行っており、私はバスタブにお湯を溜めてからリビングのソファに座った。

 今、渡しちゃおう。

 すっくと立って自分の部屋へ行き、赤い包装紙に包まれたプレゼントを抱えて書斎へ向かう。

 書斎のドアは少し開いていた。ドアノブに手をかけたとき、中から柊吾さんの声がして立ち止まる。

 電話中なんだ。

「――ほうがいい。愛し合っているじゃないか」

 え……?

 柊吾さん言葉に、私の目が大きく見開く。

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