【極上旦那様シリーズ】俺のそばにいろよ~御曹司と溺甘な政略結婚~
 でも好きなものは我慢できないから、とんかつも一枚ぺろりと食べてしまうと思うけど。


 十八時三十分。まず帰宅したのはオーリィ氏。
 
 スーツからカジュアルな服に着替えてダイニングルームに現れたオーリィ氏は、キッチンから漂うとんかつのにおいに、嬉しそうな顔になる。
 
 数分後、ジュリアンとポーリンが一緒に帰宅した。

「ハル、ただいま! 今日もかわいいよ」
「お帰りなさい。ジュリアン、ポーリン」

 私は口のうまいジュリアンの言葉に苦笑いを浮かべ、玄関でふたりを出迎える。

「ただいま。ハル。疲れたー。あとで話聞いてくれる?」
「もちろん、ポーリン。シャワーのあと、部屋に行くね」

 ポーリンはにっこり笑って自分の部屋へ入っていく。

 子供部屋は玄関を入り、お客さまを迎えるホールからすぐのところにある。

「ハル、僕の部屋にも来てくれる?」

 ジュリアンは捨てられた子犬のような目で見るけど、私は思いっきり頭を左右に振った。

「ダメでしょ。早く手を洗ってきて」

 ジュリアンは渋々自分の部屋へ向かった。


 
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