【極上旦那様シリーズ】俺のそばにいろよ～御曹司と溺甘な政略結婚～
　課題を済ませてベッドに横になったのは二十四時近く。

　目を閉じて眠りに引き込まれたとき、枕元のスマホが鳴った。眠い目を開けて着信を見るとお父さんだった。

「もしもし……こっちは真夜中なのに」

　目を閉じながら、お父さんの言葉を待つ。

《こっちは朝の七時だ》

「元気か？っていうだけの電話ならこんな時間にかけてこないでよ」

《大事な話がある。金曜日のフライトで日本に戻ってきなさい》

　眠くてしょうがない私は、父親の話を聞き流すつもりだった。

　だけど、その言葉を聞いて飛び起きる。

「えっ、どういうこと？　大事な話って!?」

《電話では話せないことだ》

「大変なことなの？　心配で眠れなくなるから教えて」

《言っただろう？　電話では話せない。直接会ってから話すから一時帰国してきなさい》

　心の中が心配でざわざわざわめく。

　こっちは火曜日になったばかり。あと丸四日間も話が聞けないなんて……。

《フライトを知らせなさい。土曜日に田口くんを迎えに行かせる》

　田口さんというのはお父さんの秘書。四十代の男性で、お父さんの右腕ともいえるほど頼りになる人。

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