【極上旦那様シリーズ】俺のそばにいろよ~御曹司と溺甘な政略結婚~
 有無を言わさない雰囲気の中、私は日本に帰るしか選択がないようだ。

 心配で今日のフライトで帰国しようかとも思ってしまうけど。

「わかったわ。金曜日のフライトで本当に大丈夫……?」

《ああ。大丈夫だ。待っているぞ》

 そう言って通話が切れた。

 スマホを見つめながら、本当に大丈夫なのだろうかと懸念する。

 もしかしてお父さんかお母さん、どちらかの病気が発覚したとか……?

 でも声の感じではそこまで深刻ではなさそうだった。明日起きたらお母さんに電話して聞いてみよう。

 先ほどの眠気はすっかりなくなり、目が冴えてしまった。


 ベッドの中で寝返りを何度も打ち、二時間が経っていた。

 心配で眠れない……。お母さんに電話しよう。

 今、日本は朝の九時過ぎで、お父さんはもう仕事に行ったはず。

 私はスマホのアプリを開いて電話をかけた。

 何度か呼び出し音が鳴る。

《もしもし? 心春?》

「うん。お母さん元気?」

 まずは体調に問題がないかを確かめたかった。



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