【極上旦那様シリーズ】俺のそばにいろよ~御曹司と溺甘な政略結婚~
「こちらになります」
金色のプレートに【president’s office】とある。
辻野さんはノックしてからドアを開けた。
「心春」
私が入室すると、柊吾さんは窓を背にした大きなデスクを離れて、こちらへ近づいてくる。
辻野さんは礼をして社長室を出ていった。
「すごいオフィスビルで驚いちゃった」
「うちで仕事をしてみる?」
私のコートを脱がせた柊吾さんは、頬に軽く唇を押し当てる。
柊吾さんが本気ではないのはわかっているけど、お父さんにも画廊で働かないかと言われたし、今日は仕事運がいいのかも。
八神物産のようなところで学歴のない私が働けるわけがない。
「もしかして、清掃員で、っていう冗談でしょう?」
私は勝手に落ちを作って、おかしそうに笑う。
「まさか。心春にぴったりな仕事はもっとある。食べよう。お義父さんの話を教えて」
柊吾さんは応接セットの白いソファへ座らせ、自分も隣に腰を下ろす。
テーブルの上には陶器の小鉢などが使われた松花堂弁当が用意されていた。
「美味しそう! いただきます」
高野豆腐の煮物を口に入れ、頬を緩ませる。
金色のプレートに【president’s office】とある。
辻野さんはノックしてからドアを開けた。
「心春」
私が入室すると、柊吾さんは窓を背にした大きなデスクを離れて、こちらへ近づいてくる。
辻野さんは礼をして社長室を出ていった。
「すごいオフィスビルで驚いちゃった」
「うちで仕事をしてみる?」
私のコートを脱がせた柊吾さんは、頬に軽く唇を押し当てる。
柊吾さんが本気ではないのはわかっているけど、お父さんにも画廊で働かないかと言われたし、今日は仕事運がいいのかも。
八神物産のようなところで学歴のない私が働けるわけがない。
「もしかして、清掃員で、っていう冗談でしょう?」
私は勝手に落ちを作って、おかしそうに笑う。
「まさか。心春にぴったりな仕事はもっとある。食べよう。お義父さんの話を教えて」
柊吾さんは応接セットの白いソファへ座らせ、自分も隣に腰を下ろす。
テーブルの上には陶器の小鉢などが使われた松花堂弁当が用意されていた。
「美味しそう! いただきます」
高野豆腐の煮物を口に入れ、頬を緩ませる。