【極上旦那様シリーズ】俺のそばにいろよ~御曹司と溺甘な政略結婚~
まさか手を握られるとは思ってもみなかったから、びっくりして彼のほうを見上げる。
私の驚きとは反対に、八神さんはなんとも思っていないようで、こちらを見ることなく黒塗りの高級外車のほうへ歩を進めた。
逃げられるとでも思ったのかな。
車の横に、年配の男性が立っており、こちらに会釈をした。紺色のスーツを着て、白い手袋をしている。ホテルマンではなく、専属の運転手のようだ。
その男性が後部座席のドアを開けると、八神さんは私を先に乗せる。それから彼も隣に身体を滑り込ませ、運転手に車を出すように言った。
道中、世間話でもするのかと考えていたら、乗り込んですぐ八神さんは「疲れただろう。着くまで二十分くらいだ。眠ってて」と言った。
子供扱いしていると思ったけれど、朝早く起きたのと時差のせいで、眠いのもたしか。
隅に寄ってドアに寄りかかり目を閉じようとしたところで、クッと喉で笑う声が聞こえ、彼のほうをパッと見る。
「今日は素直なんだな」
「本当に眠いのでっ」
私はツンとすまして瞼を閉じた。
からかわれている感は否めない。
私は眠くなると、頭がボーッとして思考回路が停止してしまう。八神さんからお見合いを断ってもらうようにするには少し眠って、頭をクリアにしておきたかった。
私の驚きとは反対に、八神さんはなんとも思っていないようで、こちらを見ることなく黒塗りの高級外車のほうへ歩を進めた。
逃げられるとでも思ったのかな。
車の横に、年配の男性が立っており、こちらに会釈をした。紺色のスーツを着て、白い手袋をしている。ホテルマンではなく、専属の運転手のようだ。
その男性が後部座席のドアを開けると、八神さんは私を先に乗せる。それから彼も隣に身体を滑り込ませ、運転手に車を出すように言った。
道中、世間話でもするのかと考えていたら、乗り込んですぐ八神さんは「疲れただろう。着くまで二十分くらいだ。眠ってて」と言った。
子供扱いしていると思ったけれど、朝早く起きたのと時差のせいで、眠いのもたしか。
隅に寄ってドアに寄りかかり目を閉じようとしたところで、クッと喉で笑う声が聞こえ、彼のほうをパッと見る。
「今日は素直なんだな」
「本当に眠いのでっ」
私はツンとすまして瞼を閉じた。
からかわれている感は否めない。
私は眠くなると、頭がボーッとして思考回路が停止してしまう。八神さんからお見合いを断ってもらうようにするには少し眠って、頭をクリアにしておきたかった。