【極上旦那様シリーズ】俺のそばにいろよ~御曹司と溺甘な政略結婚~
「ここはなんですか?」
「スイートルームだ。アフタヌーンティーを用意させた。ほとんど食べていなかっただろう? 腹が減っているんじゃないか?」
八神さんは先にあるドアを開け、部屋の奥へと歩を進める。
「ア、アフタヌーンティーならカフェにもあるじゃないですかっ。ここは嫌です」
八神さんを急いで追いかけ、別の場所を提案する。
「今さら別の場所に用意させるのは面倒だ。座って。紅茶がいい? コーヒー? 冷たいのもあるはずだ」
八神さんは広いリビングの左手にあるテーブルに近づく。
「……私の話聞いていますか? なにもここじゃなく――」
さっさと行ってしまう八神さんのあとに仕方なくついていくと、彼は引いたイスの背に手を置いて待っている。
私は小さくため息をついてから、イスに腰を下ろした。
「日本に滞在中、ここが俺の家だ」
「えっ? ご実家ではないんですか?」
「昨晩は父と話をするために泊まったが、パリへ戻るまでここにいる。飲み物は?」
さっきのお店では食事も飲み物もほとんど取れなかったせいで、喉は乾いていた。
「コーヒーとミルクを半分ずつ入れてください。冷たいほうで。ガムシロップも少し」
子供扱いされているから、カッコよくブラックコーヒーと言いたかったけれど、あいにく苦手だ。
まあ、子供っぽく見せて断ってもらおうって思っているからいいのだけど。
「スイートルームだ。アフタヌーンティーを用意させた。ほとんど食べていなかっただろう? 腹が減っているんじゃないか?」
八神さんは先にあるドアを開け、部屋の奥へと歩を進める。
「ア、アフタヌーンティーならカフェにもあるじゃないですかっ。ここは嫌です」
八神さんを急いで追いかけ、別の場所を提案する。
「今さら別の場所に用意させるのは面倒だ。座って。紅茶がいい? コーヒー? 冷たいのもあるはずだ」
八神さんは広いリビングの左手にあるテーブルに近づく。
「……私の話聞いていますか? なにもここじゃなく――」
さっさと行ってしまう八神さんのあとに仕方なくついていくと、彼は引いたイスの背に手を置いて待っている。
私は小さくため息をついてから、イスに腰を下ろした。
「日本に滞在中、ここが俺の家だ」
「えっ? ご実家ではないんですか?」
「昨晩は父と話をするために泊まったが、パリへ戻るまでここにいる。飲み物は?」
さっきのお店では食事も飲み物もほとんど取れなかったせいで、喉は乾いていた。
「コーヒーとミルクを半分ずつ入れてください。冷たいほうで。ガムシロップも少し」
子供扱いされているから、カッコよくブラックコーヒーと言いたかったけれど、あいにく苦手だ。
まあ、子供っぽく見せて断ってもらおうって思っているからいいのだけど。