【極上旦那様シリーズ】俺のそばにいろよ~御曹司と溺甘な政略結婚~
「一度結婚すれば、離婚したとしても再び結婚を急かされることもないだろう。それに君と生活するのは楽しそうだ。君はパリで勉強できるし、お父さんの会社は八神物産の融資が受けられる。互いにメリットがあると思わないか?」
お父さんの会社が安泰ならば、願ったり叶(かな)ったりだ。パリでの勉強も続けられる。
でも……夫婦になったら……。
彼に抱きしめられる姿がポワンと頭に浮かび、首を思いっきり左右に振る。
「それは提案を受け入れられないってことかい?」
「そ、そうじゃなくて……考える時間が欲しいです」
ひとりになってよく考えたい。
「わかった。返事は明日の十八時にここで聞こう。昼間は会議ずくめで時間が取れない」
「……はい。そうします」
緊張した面持ちで頷く。
「では違う話をしよう。まだ二段食べていないな。飲み物は? 紅茶を淹れようか?」
「自分で淹れます」
「いいよ。座ってて」
立ち上がった八神さんは私を制して紅茶の用意をする。慣れている所作だった。
「ミルク? レモン?」
その姿に見入っていた私はハッとなる。
「あ、ミルクをお願いします」
八神さんはミルクティーを手に戻ってきた。
お父さんの会社が安泰ならば、願ったり叶(かな)ったりだ。パリでの勉強も続けられる。
でも……夫婦になったら……。
彼に抱きしめられる姿がポワンと頭に浮かび、首を思いっきり左右に振る。
「それは提案を受け入れられないってことかい?」
「そ、そうじゃなくて……考える時間が欲しいです」
ひとりになってよく考えたい。
「わかった。返事は明日の十八時にここで聞こう。昼間は会議ずくめで時間が取れない」
「……はい。そうします」
緊張した面持ちで頷く。
「では違う話をしよう。まだ二段食べていないな。飲み物は? 紅茶を淹れようか?」
「自分で淹れます」
「いいよ。座ってて」
立ち上がった八神さんは私を制して紅茶の用意をする。慣れている所作だった。
「ミルク? レモン?」
その姿に見入っていた私はハッとなる。
「あ、ミルクをお願いします」
八神さんはミルクティーを手に戻ってきた。