対立相手が婚約者。それって何かの冗談ですか?
「拡樹さん!この方ひどいのよ。お友達になりたいと思って声をかけたら、急に水をかけてきたの。こんなヒステリックな女、関わりにならない方がいいわ」
あまりの変わりように、恵巳は開いた口が塞がらない。だがここで負けていると、彼女たちの良いようになってしまう。
「外まで声が聞こえてきてましたよ。
皆さん、見覚えのある方たちですね」
ゆっくりと順番に3人に目をやった。水を浴びせるなんて暴挙に出ている以上、言い逃れのできない状況なのは間違いなかった。次に拡樹がなんと言うのか。それまでがものすごく長い時間に感じられた。
「恵巳さんを侮辱するようなことは僕が許しません」
それは、恵巳を味方する言葉だった。
今まで好き勝手言っていた3人が、瞬時に大人しくなった。
「そんな、侮辱だなんて…」
「なんであれ、あなたたちのやったことは見逃せません」
初めて見た、拡樹の冷たい目に、3人は泣きそうになっている。悔しそうに唇を噛むと、それ以上言い返すことなく逃げるようにメイクルームを出て行った。
「恵巳さん、大丈夫ですか?」
そう駆け寄ってきた拡樹はさっきまでとはすっかり変わって、心配そうな目を向けて手を握る。
あまりの変わりように、恵巳は開いた口が塞がらない。だがここで負けていると、彼女たちの良いようになってしまう。
「外まで声が聞こえてきてましたよ。
皆さん、見覚えのある方たちですね」
ゆっくりと順番に3人に目をやった。水を浴びせるなんて暴挙に出ている以上、言い逃れのできない状況なのは間違いなかった。次に拡樹がなんと言うのか。それまでがものすごく長い時間に感じられた。
「恵巳さんを侮辱するようなことは僕が許しません」
それは、恵巳を味方する言葉だった。
今まで好き勝手言っていた3人が、瞬時に大人しくなった。
「そんな、侮辱だなんて…」
「なんであれ、あなたたちのやったことは見逃せません」
初めて見た、拡樹の冷たい目に、3人は泣きそうになっている。悔しそうに唇を噛むと、それ以上言い返すことなく逃げるようにメイクルームを出て行った。
「恵巳さん、大丈夫ですか?」
そう駆け寄ってきた拡樹はさっきまでとはすっかり変わって、心配そうな目を向けて手を握る。