対立相手が婚約者。それって何かの冗談ですか?
恵巳を家まで送り届け自宅に帰ってきた拡樹は、そのまま部屋に行こうとしたが、まだ起きていた父、泰造に遮られた。
リビングで優雅にワイングラスを傾けながら、貴族が座っていそうなアンティーク調のソファーに腰かけている。
「あの小娘とは順調なのか?」
「恵巳さんのことですか?」
小娘と言われたことに、若干の怒りを込めて聞き返す。
「ふん、その様子だと順調なようだな。
例の計画のこと、秘密にしてあるんだろうな。まさか惚れてなどいないだろうな?もしあのことがあの小娘の耳に入ったら…」
「言えるはずないでしょう。…僕はもう寝ます」
目を伏せて部屋に行く拡樹。
そんな息子をもう一度見ることはなく、グラスを揺らすだけの泰造だった。
リビングで優雅にワイングラスを傾けながら、貴族が座っていそうなアンティーク調のソファーに腰かけている。
「あの小娘とは順調なのか?」
「恵巳さんのことですか?」
小娘と言われたことに、若干の怒りを込めて聞き返す。
「ふん、その様子だと順調なようだな。
例の計画のこと、秘密にしてあるんだろうな。まさか惚れてなどいないだろうな?もしあのことがあの小娘の耳に入ったら…」
「言えるはずないでしょう。…僕はもう寝ます」
目を伏せて部屋に行く拡樹。
そんな息子をもう一度見ることはなく、グラスを揺らすだけの泰造だった。