対立相手が婚約者。それって何かの冗談ですか?
帰り道、後ろから追いかけてきた蓮に肩を叩かれた。
「ケリついたのか?」
「うん…。最後に話せたよ」
「そうか。一発くらい殴ってやればよかったのに」
「拡樹さん、ああ見えて強いんだよ」
温泉旅行でも撃退劇を思い出している恵巳に、「嘘だろ。あいつ絶対弱いからお前でも倒せるぞ」と乗っかった蓮は、複雑な表情を見せていた。そして、足を止めていた。
「あれ?どうしたの、やまやん」
「俺と付き合わない?」
「え?」
突然のことに笑ってみたが、いつまでたっても真剣な顔の蓮を見て、恵巳も口を結んだ。
「本気だから。俺ら相性良いと思うんだけど、どうよ?」
「どうよって言われても」
蓮と恋愛関係になるなど、今までそんなこと一度も考えたことなかった恵巳は相当戸惑っていた。気持ちを打ち明けられた今でも、全く想像がつかない。
「ま、考えとけよ」
それだけ言うと、何事もなかったかのように歩き出した。
それが、今の恵巳にとっては助かる距離感で、ほっとした。
さすが、長年恵巳の相手をしているだけある。自然とその距離感を生み出せるのだった。
「ケリついたのか?」
「うん…。最後に話せたよ」
「そうか。一発くらい殴ってやればよかったのに」
「拡樹さん、ああ見えて強いんだよ」
温泉旅行でも撃退劇を思い出している恵巳に、「嘘だろ。あいつ絶対弱いからお前でも倒せるぞ」と乗っかった蓮は、複雑な表情を見せていた。そして、足を止めていた。
「あれ?どうしたの、やまやん」
「俺と付き合わない?」
「え?」
突然のことに笑ってみたが、いつまでたっても真剣な顔の蓮を見て、恵巳も口を結んだ。
「本気だから。俺ら相性良いと思うんだけど、どうよ?」
「どうよって言われても」
蓮と恋愛関係になるなど、今までそんなこと一度も考えたことなかった恵巳は相当戸惑っていた。気持ちを打ち明けられた今でも、全く想像がつかない。
「ま、考えとけよ」
それだけ言うと、何事もなかったかのように歩き出した。
それが、今の恵巳にとっては助かる距離感で、ほっとした。
さすが、長年恵巳の相手をしているだけある。自然とその距離感を生み出せるのだった。