対立相手が婚約者。それって何かの冗談ですか?
それからはまた食べて飲んでの繰り返し。何枚写真を撮ったかわからないほどに、いたるところにスマホを向けていた両親。満喫した2人を部屋の前で見送り、自分たちの部屋に入った恵巳は、部屋の窓から見える景色を見る余裕もなく、すぐに荷物を下ろし、身体の力を抜いた。
「あー、疲れた。あの2人はなんであんなに元気なのよ…」
畳の上に倒れこみそうになる恵巳を、拡樹がふわりと抱きしめた。あまりの距離の近さに驚いていると、今度は逆に恵巳の方が体重を掛けられる体勢となった。
「え!?ちょっと、急に、なん、ですか…。
うわっ」
体重をかけてくる拡樹をさすがに支えきることはできず、ゆっくり畳の上に押し倒される。
「ど、どうしたんですか」
何も言わない拡樹に戸惑い、何度も背中を叩く。この流れはまずいと、頭の中で警告音が鳴る。
「今日はあんまりスキンシップがとれなかったので。今補充しています。
さすがの僕も、ご両親の前でいつものようにイチャつくと嫌な奴になることくらいわかっていますので」
「両親の前だけではなくて、人前でもその感覚を持っていただけると幸いです」
「ということは、2人きりのときは良いということですね」
こういうところはすぐに拾われてしまう鋭さに、さっと視線を逸らした。迫りくる唇を必死に押さえつけ、拡樹を追いやろうと抵抗する。
「あー、疲れた。あの2人はなんであんなに元気なのよ…」
畳の上に倒れこみそうになる恵巳を、拡樹がふわりと抱きしめた。あまりの距離の近さに驚いていると、今度は逆に恵巳の方が体重を掛けられる体勢となった。
「え!?ちょっと、急に、なん、ですか…。
うわっ」
体重をかけてくる拡樹をさすがに支えきることはできず、ゆっくり畳の上に押し倒される。
「ど、どうしたんですか」
何も言わない拡樹に戸惑い、何度も背中を叩く。この流れはまずいと、頭の中で警告音が鳴る。
「今日はあんまりスキンシップがとれなかったので。今補充しています。
さすがの僕も、ご両親の前でいつものようにイチャつくと嫌な奴になることくらいわかっていますので」
「両親の前だけではなくて、人前でもその感覚を持っていただけると幸いです」
「ということは、2人きりのときは良いということですね」
こういうところはすぐに拾われてしまう鋭さに、さっと視線を逸らした。迫りくる唇を必死に押さえつけ、拡樹を追いやろうと抵抗する。