対立相手が婚約者。それって何かの冗談ですか?
夜も深まり、睡魔に耐えきれなくなった恵巳が寝室に行くと、畳の上には1組しか布団が敷かれていなかった。
とっくに忘れてしまっていた同じ布団で寝るという悪ふざけ。
「む、無理です!」
「ただ寝るだけですって。何もしませんって」
「その言い方がもう怪しいじゃないですか!」
そこから、互いに譲らない論争が始まった。
「何がそんなに嫌なんですか?僕を男として意識してくれてるってことですか?
それならそうと言ってくれれば良いのに。恵巳さんが僕のことを好きだから、同じ布団に入るのは恥ずかしいって言うなら考えますよ」
「私と2人でいると緊張するって言ってたのは拡樹さんの方じゃないですか」
「それとこれとは話は別です」
「なんでですか。
女将さんに言って布団もう1組もらってきます」
立ち上がろう足に力を入れるが、上手く入らずにフラフラと不安定に体が揺れる。晩酌のアルコールが回ったようだ。
そのまま布団にダイブした恵巳は、シーツのひんやりとした心地よさに一気に夢の中へ引き込まれそうになる。
「添い寝という形でいいってことですね」
諦めの悪い拡樹がそんなことを言ってきた。恵巳も譲らずに、ダメです、と返したところで、睡魔の誘惑に敗北した。
とっくに忘れてしまっていた同じ布団で寝るという悪ふざけ。
「む、無理です!」
「ただ寝るだけですって。何もしませんって」
「その言い方がもう怪しいじゃないですか!」
そこから、互いに譲らない論争が始まった。
「何がそんなに嫌なんですか?僕を男として意識してくれてるってことですか?
それならそうと言ってくれれば良いのに。恵巳さんが僕のことを好きだから、同じ布団に入るのは恥ずかしいって言うなら考えますよ」
「私と2人でいると緊張するって言ってたのは拡樹さんの方じゃないですか」
「それとこれとは話は別です」
「なんでですか。
女将さんに言って布団もう1組もらってきます」
立ち上がろう足に力を入れるが、上手く入らずにフラフラと不安定に体が揺れる。晩酌のアルコールが回ったようだ。
そのまま布団にダイブした恵巳は、シーツのひんやりとした心地よさに一気に夢の中へ引き込まれそうになる。
「添い寝という形でいいってことですね」
諦めの悪い拡樹がそんなことを言ってきた。恵巳も譲らずに、ダメです、と返したところで、睡魔の誘惑に敗北した。