対立相手が婚約者。それって何かの冗談ですか?
7.写真
寝慣れているベットの上で目を覚ました拡樹は、額がひんやりしているのを感じた。当てられていたタオルを手に取り、体を起こす。壁に掛かった時計を見ると、朝の6時。
昨夜、雨に打たれて意識がぼんやりしていたことを思い出した。
今では気怠さも抜け、すっかり熱も下がっている。
恵巳さんが来てくれたことに張りつめていた心の糸が解けて…、そう思い起こしていた。
「う、わっ」
素っ頓狂な声をあげた拡樹の目に見えていたのは、ベットの上に上半身を預けて寝息を立てる恵巳だった。
「恵巳さんが看病してくれてたのか」
手に持っていた濡れたタオルを、大事そうにもう一度握りしめる。空いた手で、寝息を立てる恵巳の頭をそっと撫でた。
「ありがとうございます」
そのお礼に反応するかのように、ゆっくり目を開いた恵巳。場所を把握するかのようにきょろきょろと見まわし、拡樹と目が合うとようやく状況を把握できたようである。
「拡樹さん…」
むくっと起き上がると、いきなり声を張り上げた。
「もう!何してるんですか!あんな雨の中、何時間も傘もささずに!挙句の果てに熱出して倒れるって、子どもじゃないんですから!」
今までの穏やかな朝は瞬時に消え去った。まさか、起きて早々こんな捲し立てられるとは思わなかった拡樹は、ポカンと恵巳を見る。
昨夜、雨に打たれて意識がぼんやりしていたことを思い出した。
今では気怠さも抜け、すっかり熱も下がっている。
恵巳さんが来てくれたことに張りつめていた心の糸が解けて…、そう思い起こしていた。
「う、わっ」
素っ頓狂な声をあげた拡樹の目に見えていたのは、ベットの上に上半身を預けて寝息を立てる恵巳だった。
「恵巳さんが看病してくれてたのか」
手に持っていた濡れたタオルを、大事そうにもう一度握りしめる。空いた手で、寝息を立てる恵巳の頭をそっと撫でた。
「ありがとうございます」
そのお礼に反応するかのように、ゆっくり目を開いた恵巳。場所を把握するかのようにきょろきょろと見まわし、拡樹と目が合うとようやく状況を把握できたようである。
「拡樹さん…」
むくっと起き上がると、いきなり声を張り上げた。
「もう!何してるんですか!あんな雨の中、何時間も傘もささずに!挙句の果てに熱出して倒れるって、子どもじゃないんですから!」
今までの穏やかな朝は瞬時に消え去った。まさか、起きて早々こんな捲し立てられるとは思わなかった拡樹は、ポカンと恵巳を見る。