最高の片思い
複合施設が完成して、お披露目パーティが開かれた。

私も建築会社の1社員として出席する、
大きな施設の完成とあって、多くの人で賑わっていた。

専務について、関係者に挨拶をする。

その時、高崎硝子の社長に呼ばれた。

「佐藤君、話しがあるんだ」

「なんでしょう?」

するとひょろりとした眼鏡をかけた男性を紹介された、

「ウチの息子なんだがね、挨拶をさせてもらえないかね」

それだけでピンと来た、これは息子さんと私とを、
付き合わそうと考えておられる・・・

頭の中で高速で計算する、高崎硝子は大きな特殊ガラスで、
国内のみならず、海外からも注目されている優良企業。
息子さんの顔は悪くないし、親公認・・・

「今度、国立美術館で絵の展示があるんです、
 印象派がお好きだとお聞きして、一緒にいかがですか」

お、息子さんがお誘いをされる辺り、度胸もある、
副社長には振られたし、これはチャンス?
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