最高の片思い
元々このプロジェクトは社内からかなり反発があった。

大きな会社にはつきものの派閥問題。

保守派の人が、先進的なデザインの建築に反発をしたのだ。

しかもデザインをしたのが、才能はあるものの、
会社の方針より自分の好きにデザインするタイプの人、
しかも短気で口も悪いとあって、上層部からは煙たがられていた。

しかし副社長は、”自分が責任を持つから”と言って、
デザインした人に話を聞いたり、保守派の人の機嫌を取ったり、
普通の何倍も苦労する事をあえて引き受けた。

これは、会社が成長するなら、前向きなプランは、
全て受け入れると言う方針を自ら態度で現したものであり、
最初は反発していた人達も副社長の誠意ある態度と、
世間からその建築が高く評価された事で態度を変えた。

とは言っても、副社長がプランを許可した時は、
腹心の秘書からも苦労をしょい込みすぎだと呆れられ、
周りからみても大変な事は見て取れた。

それを、表面的には笑顔でやり遂げた副社長をますます好きになった。
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