最高の片思い
メインディッシュが食べ終わり、デザートが来るまでの短い間、
少しだけ沈黙があった。

お互い目が合う。

相変わらず心臓の音が大きく響く。

副社長が魅惑的な笑顔で聞いてくれる、

「ケーキ好き?」

「好きです」

言葉に出してから、”好き”と言う言葉がエコーする。

「お待たせしました」

黒いベストを着たギャルソンが優雅にケーキをサーブする。

「ありがとう」と副社長が話しかけると、
一礼して、ギャルソンは席を離れていった。

「好きです」

「あ、ケーキ?美味しそうだよね」

「いえ、貴方が」

言ってから、はっとなる、
ずっと思っていたとは言え、こんな唐突に言うなんて・・・・
後悔が襲うが、もう言葉にしてしまえば元に戻らない。
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