最高の片思い
出張が終わり休日、いつもの習慣で早く起きる。

6帖のワンルームの部屋を見渡し、ふと積み上げてあった本に目が行った。
秘書になる為に買った、マナーやパソコンの使い方の本はもちろん、
「姿勢が良くなるストレッチ」や「男性にうける話方」
なんかの本を見て苦笑する。
中には「結婚したくなる女性の条件」と言う本まであった。

彼に振り向いて欲しくて、少しでも女を上げようと買った本だった、
ため息をついて、それらを束ね、廃品回収に出す準備をする。

私服は白、黒、ベーシュのシンプルなデザインで、まあまあ安く、
洗濯ができる物ばかり買っていた。

これも、職場で彼に良くみられたいと、
スーツにお金をかけていたから。

エステに行くお金はないので、近場のサウナに行って、
デトックスしたり・・・

本当、彼の事ばかり考えていたんだな・・・

思っていたより、重症の恋の病にかかっていたと自覚する。

自分の気持ちに整理をつけようと、部屋をどんどん整理していく。
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