最高の片思い
店長に化粧水が欲しい事を伝えると、
私の使用している化粧品を熟知している店長が、すぐ用意してくれた。

「今日は報告があるんです」

「あら、何?」

「失恋しちゃいました」

店長が驚きの顔をして、すぐにまくし立てる。

「しっんっっじられない!こんないい子を振るなんて!」

営業ではない対応に、心から嬉しくなる。

「そこ、座って」

「はい」といって、素直にカウンターの椅子に座る。

「もう3年ですか・・・」

「もうそんなに経つのね」

私の顔に化粧をしながら、店長がしみじみと言う。

この星資堂のカウンターに駆け込んだのは3年前、
やはりそれも副社長が理由だった。
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