最高の片思い
「いい恋ができたのね」

「はい、すごく幸せでした」

ここに来る前、部屋を片づけていた事を報告した後だった。

「この3年で本当に綺麗になったわ、容姿も内面も」

「ふふふ・・・恋で磨かれたのかもしれません」

副社長に恋をする前、
私はただ与えられた仕事をこなすだけだった。

恋愛にもあまり積極的ではなかった。

なのに、副社長に出会ってしまった。

恋をして私は変われた。

単なる受付だった私が、秘書を目指して猛勉強したし、
職場でも外見も良くなったと評価も上がっている、
全てがプラスになっている。

「最高の片思いでした」

確認するかのように言う私に、店長は優しい目で、
唇にリップグロスをひいてくれた。
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